高額療養費制度とは?

医療費は、窓口負担割合とは別に収入などに応じて最終的に自己負担する上限額が決められています。高額療養費制度とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、自己負担額を超えた分を国が支給してくれる制度です。収入によって自己負担額は異なりますが、平均的な所得の場合、1ヵ月の自己負担額は8万円程度になります。こちらの制度は自己申告制であり、知っているのと知らないのとでは大違いなのでぜひ知っておきましょう。

申請方法

事後申請の場合

事後申請は、最初に窓口負担割合で医療費を支払い、加入している公的医療保険に申請後、差額が返還されます。こちらの場合は、医療機関等から提出される診療報酬証明書(レセプト)の審査を経て行うため、診察月から3か月以上かかってしまいます。

事前申請の場合

事前申請は、最初から窓口で限度額だけ払えば済む方法です。加入する公的医療保険から「限度額適用認定証」を事前に取り寄せ、医療機関に出せば窓口での支払いを限度額で済ませることができます。事前に高額な医療費を支払うことが分かっている場合は、事前申請しておくことがおすすめです。

注意点は?

高額療養費の対象

高度療養費の対象は、あくまで公的医療保険が対象とする医療費となっています。そのため、美容目的の整形や先進医療、差額ベット代や食事は対象外となります。

計算期間

計算の対象が毎月1日から月末までなので、例えば入院が月をまたぐ場合は、限度額も2か月分支払うことになります。調整できる場合は、医療費を同じ月にまとめて支払えるようにすると良いでしょう。

時効がある

高額療養費制度には、2年の時効があります。窓口負担で3割の額を支払ったまま高額療養費の申請をせず2年経つと時効になり、制度が利用できなくなるためこの点も注意しましょう。