老後資金を見直す中で、「生命保険を解約した方がよいのでは」と考える方は少なくありません。特に、毎月の保険料が高い場合や、死亡保障が今の生活に合っていないと感じる場合は、解約を検討したくなるものです。

ただし、生命保険は一度解約すると元に戻せない場合があります。健康状態や年齢によっては、新しい保険に入りにくくなることもあります。保険料を減らしたいときほど、解約前に確認すべきポイントがあります。

生命保険はすぐ解約する前に内容を確認する

生命保険を見直すとき、最初にするべきことは解約ではありません。まず、現在の契約内容を確認することです。

保険証券や契約内容のお知らせを見て、死亡保障はいくらか、医療特約やがん特約は付いているか、保険料はいつまで払うのか、解約返戻金はあるのかを確認しましょう。

同じ生命保険でも、定期保険、終身保険、養老保険、医療保険、がん保険では仕組みが違います。解約しても返戻金が少ない保険もあれば、長く続けることで一定の解約返戻金がある保険もあります。

解約で起こりやすい失敗

生命保険の解約で起こりやすい失敗は、必要な保障までなくしてしまうことです。

たとえば、死亡保障が大きすぎるからといって保険を丸ごと解約すると、医療特約や入院保障まで失うことがあります。また、昔加入した保険の条件がよかった場合、解約後に同じような内容で入り直せないこともあります。

健康状態が変わっている場合、新しい保険に加入できない、加入できても保険料が高くなる、特定の病気が保障対象外になるといった可能性もあります。

保険料を減らしたい場合でも、いきなり解約するのではなく、保障を残しながら負担を軽くする方法を検討しましょう。

見直し方法1:死亡保障を減額する

死亡保障が大きすぎる場合、保険金額を減らす「減額」という方法があります。たとえば、死亡保障3000万円を1000万円に減らすような見直しです。

減額できれば、保障を一部残しながら保険料を抑えられる場合があります。子どもが独立し、教育費への備えが不要になった家庭では、検討しやすい方法です。

ただし、減額後に元の保障額へ戻せるとは限りません。どの程度まで保障を残すかは、配偶者の生活費、葬儀費用、住宅ローン、貯金額をふまえて考える必要があります。

見直し方法2:特約を整理する

生命保険には、医療特約、災害特約、入院特約、成人病特約などが付いていることがあります。長年契約していると、どの特約が付いているか分からなくなっている方もいます。

現在、別の医療保険やがん保険に加入している場合、保障が重複していることがあります。重複している特約を整理すれば、保険料を抑えられる可能性があります。

ただし、特約を外すと、その保障はなくなります。入院、手術、がん、通院など、どの保障が残るのかを必ず確認しましょう。

見直し方法3:払済保険に変更する

終身保険など一部の保険では、払済保険へ変更できる場合があります。払済保険とは、以後の保険料の払い込みをやめ、解約返戻金をもとに保障を残す方法です。

毎月の保険料負担をなくしながら、一定の保障を残せる可能性があります。退職後に保険料を払うのが負担になる方にとっては、選択肢の一つになります。

ただし、保障額は下がることが多く、特約がなくなる場合もあります。すべての保険で利用できるわけではないため、保険会社や相談窓口で確認が必要です。

見直し方法4:新しい保険へ入り直す

現在の保険が今の医療事情や家族構成に合っていない場合、新しい保険へ入り直す方法もあります。医療保険やがん保険では、近年の治療実態に合わせた保障が用意されている商品もあります。

ただし、入り直しには注意が必要です。年齢が上がると保険料は高くなりやすく、健康状態によっては加入できないこともあります。新しい保険の契約が成立する前に古い保険を解約すると、保障が空白になるおそれがあります。

入り直す場合は、新しい保険の保障開始日を確認してから、現在の保険をどうするか決めることが大切です。

保険相談で解約前に確認したいこと

解約前に保険相談を利用する場合は、次の点を確認しましょう。

  • 今の死亡保障はいくら必要か
  • 解約返戻金はいくらあるか
  • 減額や払済保険にできるか
  • 特約を外した場合、どの保障がなくなるか
  • 新しい保険に入り直す必要があるか
  • 保険料は老後の家計に合っているか

日本生命や明治安田生命などの大手生命保険会社では、保険の見直しや相談窓口を案内しています。また、複数社を扱う保険相談サービスを利用すれば、今の契約を見ながら他社商品との違いも確認しやすくなります。

生命保険の見直しは、解約するか続けるかの二択ではありません。減額、特約整理、払済、入り直しなど、複数の選択肢があります。損をしないためにも、解約前に現在の契約内容をしっかり確認しましょう。

出典:日本生命明治安田生命明治安田生命