税金の督促状が届くと、借金の請求書よりも重く感じてしまう人は少なくありません。ただ、見ないままにすると、状況の整理が遅れてしまいます。まずは税目、年度、金額、期限を確認し、今の自分に必要な対応を落ち着いて見極めることが大切です。

税金の督促状は、普通の納付書とは意味が違う

税金の督促状は、納期限までに納付が確認できなかったときに送られてくる書類です。住民税や固定資産税などの地方税でも、納期限を過ぎて未納が続くと督促状が送られ、その後も納付が確認できない場合には催告書が送付されることがあります。普通の納付書と違って、「すでに期限を過ぎている」という前提で届くため、後回しにしない方がよい書類です。

税目によって窓口や制度は異なりますが、督促状が届いた時点で大切なのは、ただ焦ることではありません。何の税金なのか、いつの分なのか、いくら未納とされているのかを確かめることが先です。税金は公的な支払いなので、民間の請求より軽く考えてよいものではありませんが、内容を確認せずに思い込みで動くのも避けたいところです。

放置すると、延滞金や差押えの話に進みやすくなる

国税では、期限までに納付できなかった場合、原則として法定納期限の翌日から延滞税がかかります。さらに、税務署から督促状が送付されても納付されないときには、財産の差押えなどの滞納処分を受ける場合があります。地方税でも、督促状や催告書の送付後に未納が続いた場合は、滞納処分が執行されることがあると案内されています。

ここで怖いのは、差押えという言葉だけに反応して思考停止してしまうことです。実際には、督促状が来たから即日差押え、という単純な話ではなく、その前に確認や相談の余地がある場合もあります。ただし、何もしないまま時間を過ごすほど、選べる対応は少なくなりやすいと考えた方が自然です。

督促状が届いたら先に見たい3つの項目

1.何の税金か

住民税、固定資産税、自動車税、国税など、税目によって担当窓口が違います。まずは税目を確認しないと、どこへ連絡すればよいかが分かりません。家族名義の不動産に関する固定資産税など、自分では把握しきれていない税目が混じっていることもあります。

2.年度と金額は合っているか

督促状を見たら、今年度分なのか、過去の未納分なのかを確認します。請求額だけを見て慌てるのではなく、本税と延滞金の内訳、納期限、整理番号なども見ておくと、その後の問い合わせがしやすくなります。すでに納付したつもりでも、行き違いで通知が届くケースはありえます。

3.どこに連絡する書類なのか

督促状や催告書には、担当部署や問い合わせ先が記載されていることが一般的です。内容がよく分からない場合は、その窓口に確認するのが基本になります。延滞の理由が失業、病気、売上減少などで一時的な資金難にあるなら、相談できる余地がないかを早めに確かめた方が現実的です。

払えないときは、放置より「相談」を先に考える

税金は一括で納めるのが原則ですが、どうしても一時に納付することが難しい場合、国税には「換価の猶予」や「納税の猶予」といった制度があります。要件に当てはまれば、差押えや換価が猶予されたり、延滞税の全部または一部が免除されたりする場合があります。地方税でも、まずは督促状に記載された窓口へ事情を伝えることが出発点になります。

ここで避けたいのは、督促状を見て慌てて別の借入れで穴埋めしようとすることです。税金を払うために高い金利の借入れを重ねると、問題が税金だけではなく家計全体に広がりやすくなります。先に「本当にいま一括で払うしかないのか」「相談できる制度がないか」を確認した方が、結果として落ち着いて対応しやすくなります。

見るべき順番が分かるだけでも、対応しやすくなる

税金の督促状が届いたときは、まず封筒を開けて、税目、年度、金額、期限、問い合わせ先を確認する。この順番が分かっているだけでも、気持ちの負担は少し軽くなります。税金の未納は放置しにくい問題ですが、焦って動くより、内容を確かめて相談につなげる方が現実的です。

差押えという言葉に圧倒される前に、いま自分がどの段階にいるのかを知ることが先です。督促状は不安を強くする書類ですが、読み飛ばさずに中身を確認できれば、次の行動は見えやすくなります。

出典:国税庁「No.9206 国税を期限内に納付できないとき」

出典:横浜市「第3章 市税の納付・相談」